平面の方程式

3次元空間上の点と平面の向き(法線ベクトル)から、平面の方程式を導いてみます。「ある点を通る一定の傾きを持つ平面の方程式」を求めてみるわけですね。

平面の向き(法線ベクトル)

3次元上の平面は、一定の「向き」を持っています。たとえば、XY平面であれば「Z方向に対して垂直」の方向性(法線ベクトル)を持っているわけです。

このことは、「平面上の点と点を結ぶ線分は、すべて同一の垂線を持つ」と言い換えることもできます。

XY平面上で考えると、平面上の2つの点(x1, y1, 0)と(x2, y2, 0)を結ぶ線分はすべて(x1 - x2, y1 - y2, 0)とz成分が0になる方向ベクトルを持ちます。つまり、Z方向の傾きを持つことはないわけです。

この場合、線分の方向ベクトルはZ成分が0でかつX/Y成分のいずれかあるいは両方が0でない値になるため、すべての線分に共通する(正規化された)垂線の方向ベクトルはZ軸方向の単位ベクトル(0, 0, ±1)になりますね。

また、XY平面上の二つの直線は平行でない限り異なる傾きを持ちます。つまり、XY平面における垂線の方向(X/Y成分の比)も異なるため、この(0, 0, ±1)以外には共通する垂線方向ベクトルはありません。

以上のことから、平面とは「ある点と結んだときに、その線分が共通の垂線方向ベクトル(直線の法線ベクトルみたいなもの)を持つ点の集合である」と言うこともできるでしょう。

3次元空間において、1つの線分には無限の垂線を引きことができますが、1つの平面上で平行しない2つ以上の線分は一意に定まる共通の垂線方向ベクトルを持つわけです。

点と法線ベクトルから平面の方程式を作る

では、平面上の点(x1, y1, z1)と平面の法線ベクトル(Nx, Ny, Nz)から平面の方程式(平面上にあるX/Y/Z座標の条件式)を求めてみましょう。

任意のx/y/z座標と点(x1, y1, y1)を結ぶ線分の方向ベクトルは

(x - x1, y - y1, z - z1)

を成分として持つことになります。

(x, y, y)が平面上にあればこの方向ベクトルが平面の法線ベクトルと垂直になるので、「平面の法線ベクトルと点同士を結ぶ方向ベクトルの内積が0」になるわけです。これを式で書けば

(Nx, Ny, Nz)・(x - x1, y - y1, z - z1)=0

となります。

内積の計算は、単純に成分同士を掛け合わせるだけですので、成分同士の計算式に展開してみましょう。

Nx(x - x1) + Ny(y - y1) + Nz(z - z1) = 0

なかなかすっきりした式になりましたね。この式が

ある点(x, y, z)が、点(x1, y1, z1)を通り法線ベクトル(Nx, Ny, Nz)を持つ平面上にあるか判定する式

つまりは、平面上に含まれる座標を表す「平面の方程式」になるわけです。