動画撮影用のデジタルカメラを購入する際、意外に見落としがちなのが「シャッタースピードの実用的な設定範囲」です。 動画撮影においては、シャッタースピードで「動きの滑らかさ」が決まります。早いシャッター速度なら、動きが止まったように見えて、遅いシャッタースピードなら動く部分がぶれることで「流し撮り」になる。基本的には静止画の写真と同じですが、動画の場合は「連続的な動き」を記録することになるため、シャッタースピードが決定的な意味を持つわけですね。 動画撮影時にマニュアル露出が可能なデジタルカメラであれば、任意のシャッタースピードを設定することができます。ただ、そのシャッタースピードで「まともな映像」が撮影できるかは別問題。特に日中の晴天下では、他の条件(感度や絞り、NDフィルターなどの減光装置)で「実用的なシャッタースピード」が決定されてしまうでしょう。 ですから、まず注目すべきは絞りと感度(NDフィルター込み)ですね。理想を言えば、感度で「明るい場所での撮影」に対応できるデジタルカメラが良いでしょう。絞りには、「明るさ」だけでなく被写界深度など他の要素を調整する機能もあるので、絞りを開放した上でより「暗く」撮影できる(実効感度を下げられる)のなら、その方が対応できる状況が広がります。 最近のカメラであれば、動画撮影時の最低感度は100-200相当ですので、まずはNDフィルターが内蔵されているか、見てみてください。最低感度が100から125程度でND8が内蔵されていれば、とりあえず実用になるはずです。もっとも、30FPSや24FPSで撮影するときにはND16(1/16に減光、4段分)が欲しくなることがありますね。 NDフィルターが内蔵されていない場合は、フィルター装着が可能かどうか、確認します。低価格帯コンデジだとフィルター装着を想定していない場合も多くて、フィルターねじがないのはもちろんメーカー純正のフィルターアダプタもない、というのが普通です(あるいはレンズの絞りがなくて内蔵NDフィルターで露出を切り替える)。根性でアダプターを「自作」している人もいますが、まぁ安物コンデジにアダプターを自作までしてNDフィルターを付ける意味があるかどうか。 高級コンデジやミラーレス一眼には、フィルタねじが切ってあったりアダプタが用意されている場合が多いので、サイズに合うNDフィルターを購入しておきましょう。屋外で動画撮影をやるなら、「必需品」ですから。 使い勝手でいえば、いちいち取り付けないですむ内蔵NDフィルターの方がずっと上ですけどね。 |